えあぶろぐ

アラサーOLの読書日記

【合唱 岬洋介の帰還】中山七里

「岬洋介って『さよならドビュッシー』のかっこいい先生だ!!?」とうろ覚えな記憶と共に手に取った一冊。

 

【合唱 岬洋介の帰還】中山七里

【あらすじ】
幼稚園で幼児らを惨殺した直後、自らに覚醒剤を注射した“平成最悪の凶悪犯"仙街不比等。彼の担当検事になった天生は、刑法第39条によって仙街に無罪判決が下ることを恐れ、検事調べで仙街の殺意が立証できないかと苦慮する。しかし、取り調べ中に突如意識を失ってしまい、目を覚ましたとき、目の前には仙街の銃殺死体があった。指紋や硝煙反応が検出され、身に覚えのない殺害容疑で逮捕されてしまう天生。そんな彼を救うため、旧友・岬洋介が地球の裏側から急遽駆けつける。そして悪徳弁護士や熱血刑事、死体好きな法医学者たちと相まみえ……。

 

以下、軽くネタバレあり感想。


法曹とクラシック、最後のどんでん返しの三拍子、中山七里の楽しさがぎゅっと詰まった一冊だった。

そして渡瀬・小手川刑事コンビ、御子柴弁護士、解剖医の光崎教授など中山七里ワールドのオールスターズ勢揃い!!「合唱」というタイトルも納得。どんでん返しがあることは分かっていたし、犯人の目星もついていたけど、結末までのアプローチの流れがやはり中山七里。点と点が繋がって線になっていく爽快感が最高に気持ちがいい。あ、でも、銃声ってタオルで包んだくらいで消えるの?

ストーリーもわかりやすく、中山七里を初めての人にも、そこそこ読み進めた人にも、どちらにも勧めたい一冊だった。

文庫本の最後に、これまでの56作品の人物相関図とあらすじが載っていて、これがめちゃくちゃわかりやすい。図書館で借りて読んだけど、購入して手元に置いておきたいと思った。